転んでもただでは起きない。私の好きな言葉です。たとえ失敗したとしても、その失敗から利益になるものを見つけ出すことの喩えで、「転んでもただは起きない」とも言います。
同じ意味の言葉として、平安時代に書かれた今昔物語集にも登場する「倒るる所に土を掴め」というものがあります。正確に言うと、「受領は倒るる所に土を掴め」といって、受領(国司に任命されてその国に赴任した者)は手ぶらで帰って来るなという意味で、平安時代の受領の貪欲さを示す言葉でした。
ちなみに私はそれをアレンジして、「転んで石を拾う」と言っています。私は綺麗な石を集めるのが趣味なので、転んで地面に倒れた時ほど、石を拾うチャンスだと考えてしまうのです。
傷つき損だけはしたくない。ましてや、その場にずっとうずくまっているだけの人間にもなりたくない。転んでしまったのなら、それ相応…いや、それ以上のプラスを得たい。いつもそう考えています。