昨日、関東地方は激しい雷雨に見舞われたそうですね。雷嫌いな私にとっては、ニュースの映像で見るだけでも身震いしてしまいます。
古来、日本で「雷」は「神鳴り」と表記され、文字通り、神の力で引き起こされる現象と考えられていました。
なので、神鳴りは人智の及ばぬ恐ろしいものであり、かの清少納言も「枕草子」の中でその脅威について書き記しています。 彼女もかなり苦手だったみたい。
そこで主に平安貴族たちは、神鳴り除けの呪術(おまじない)をして、災害に備えていたと言います。こんな呪文です。
東に向かって 阿伽多(あかた)
南に向かって利帝魯(りてろ)
西に向かって須陀光(すだこう)
北に向かって蘇陀摩尼(そだまに)
と唱える。
また、これらを紙に書いて部屋の東西南北の柱や壁に貼っておく。
というものです。
これは、あらゆる災難を退ける呪術と言われていたため、地震や火事などからの災い除けとしても活用されていたそうですよ。
陰陽道を始め、易(占い)や呪術が常識的に信じられていた時代には、それ以外で雷から身を守る術がなかったのでしょう。
我が家もダメ元で部屋の四方に貼ってみようかな。…お客さんに不気味がられるだろうな、きっと。