塾長ブログ

あの日の夕陽は赤かった。

私が小学5年生だった頃の思い出です。

当時の親友に、3年生の時、台湾の学校に転校していったRちゃんという女の子がいました。

Rちゃんが転校する前日、彼女とある約束をしました。
台湾から帰国した翌日に、いつも一緒に遊んでいた原っぱで放課後待ち合わせしよう。
というものです。

2年後、Rちゃん家族が帰国。
その翌日に彼女は久方ぶりに登校しました。
私は当時二人で交わしたあの約束を果たすため、その日の放課後その原っぱに向かいました。
…Rちゃんと何を話そうかな。
当時の親友とは言え、2年もの月日が流れています。うっすらと緊張感を漂わせながら、でもやっぱりワクワクもしてRちゃんを待ちました。

どれぐらい待ったことでしょうか。
高かった日も次第に沈み、いつのまにか空は鮮やかなオレンジ色に変わっています。
烏が鳴きながら空を飛び交う様子を見ながら、私はひたすら待ちました。

日が完全に沈み、辺りが暗くなった頃、迎えに来た妹と家に帰りました。
Rちゃんは結局、約束の場所には現れませんでした。

遅い帰りを咎める母に、適当な言い訳を返した記憶があります。
本当のことを打ち明けるのは、何だか気恥ずかしい感じがしたのです。
別に悪いことをしたわけではありません。
だけど、2年も前にした約束を、自分1人だけが大切に思い続けていたこと。そして、それを私だけが実行したことが無性に「恥ずかしいこと」「格好悪いこと」だと感じたのです。

人間って、そういうことはなかなか忘れられないものなのでしょうかね。
何十年も経った今でもあの日のことを時々思い出します。

…というエピソードを先日、笑いを交えてダンナに話しました。
私「別に特別傷ついたってわけでもないんだけどね。」
ふと横を見ると、ダンナが涙ぐんでいます。

え~っ!?
どれだけ涙腺弱いのよ。
思春期の少女?

怖いわ~。


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